
2009年10月1日、小澤大使はナミビア大統領府にて、ポハンバ大統領に信任状を捧呈し、ナミビア特命全権大使としての職務を公式に開始しました。
この機会を捉え、小澤大使は駐南ア・ヨハネスブルグ日本企業幹部7名とともに官民合同ミッションとしてナミビア入りし、大統領、首相以下主要閣僚と個別に会談し、オールジャパンとして日本の存在感をアピールするとともに、鉱物資源、エネルギー、海洋資源、運輸インフラ、輸出加工区(Export Processing Zone)等につきナミビアとの経済交流・貿易促進の可能性について意見交換しました。
ナミビアの政治は1990年の独立以降安定しており、経済も順調に発展しています。我が国との関係をみると、ビジネスでのつながりは、今後更に拡大させる高い潜在力があります。ウラン、ダイヤモンド、亜鉛、銅等の多くの鉱物資源に恵まれており、電力、鉄道、港湾等多くのインフラ・プロジェクトの需要があるにもかかわらず、我が国の対ナミビア輸入のほとんどは水産物(カニ、エビ)が占めています。一方、ポハンバ大統領は2007年・2008年(TICADⅣ出席)と2年連続して訪日しており、ナミビア側の日本に対する期待は高まっています。
信任状捧呈に合わせた今回の官民合同ミッションの派遣は、相手国政府に日本の関心を直接示す、新しい「官民連携」の形といえます。資源外交を含む今後の貿易投資関係の強化のために、より良い二国間関係を築く一助となりました。
小澤大使からのメッセージ
ナミビアは日本の約2.2倍の国土を有していますが、そのほとんどは、広大なナミブ砂漠を含む乾燥地帯です。人口は約210万人で、世界で最も人口密度の低い国の一つであり、その分、手つかずの大自然や先住民族の生活が残されています。治安も比較的よく、日本を含む世界各国からの観光客は近年大幅に増えています。
ドイツ統治下と南ア統治下では「南西アフリカ」と呼ばれており、1990年に独立国となりました。日本は、1989年に行われた選挙で国連ナミビア独立移行支援グループ(UNTAG)に選挙監視要員27名を派遣し、初めて日本人の文民が国連PKOに参加することを経験し、ナミビアの独立・民主化に貢献しました。
これまでの日・ナミビアの良好な二国間関係には、円借款の供与や青年海外協力隊員の派遣を通じた「インフラ整備・人造り」への協力が大きく寄与していると感じました。今回のナミビア訪問では、二国間関係を新たな段階に格上げしていくためには「ビジネス関係の強化が必要である」というメッセージを発出してまいりました。より多くの日本の皆様にナミビアを訪れていただきたいと思います。