
日本の協力と評価
4月22日、南アフリカ共和国おいて民主化後第4回目となる総選挙が実施され、小澤大使以下8名の日本大使館員が、ハウテン州プレトリア市内及びヨハネスブルグ市内の計16カ所の投票所を訪問し、投票及び集計プロセスを視察しました。
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南ア選挙管理委員会スタッフと談笑する小澤大使と内藤書記官。 比較的貧しい住民が暮らす選挙区の一部では、投票は特設テントで行われました | 投票の順番を待つ有権者 | IDブック読み取り機(通称ZIPZIP)を観察する小澤大使。投票手続きの迅速化のため、今回から導入された |
各投票所では、南ア選挙管理委員会のスタッフが早朝から夜遅くまで投票所を運営し、その後も夜を徹して集計作業を行いました。選挙を戦う政党関係者も、投票日から開票作業が終わるまで、ルールに則って投票プロセスを見守っており、時に問題が見つかっても、話し合いで解決が図られていました。百人近くの有権者が一時間以上並ぶような投票所もありましたが、静かに自分の順番を待っており、南アフリカの人々が、選挙を大切に思っている様子が伝わって来ました。
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投票活動を見守る宮下公使。南ア与党アフリカ民族会議関係者と |
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今回の各投票所視察を通じて、投票手続きに関する情報やルール、選挙の意義が有権者と政党関係者に広く共有されていることが確認されました。在南ア日本大使館は、南アフリカ選挙管理委員会、アフリカ連合(AU)並びに南部アフリカ開発共同体(SADC)の選挙監視団と同じく、第4回総選挙が自由、公平、透明かつ平和裡に実施されたと評価しています。対話によってアパルトヘイト撤廃と民主化を実現した南アフリカで、民主主義が更に浸透し、平和尊重の文化が一層定着しつつあることを喜ばしく受け止めています。
日本政府は、99年、04年の総選挙の際の車両供与に引き続き、今次総選挙においても南ア選挙管理委員会に対し、有権者教育教材(コミックブック形式)の開発・印刷・配布のための資金(総額約4,000万円)を供与しました。
この教材は、総選挙の準備段階で南ア選挙管理委員会によって有権者に配布されました。(大使館員もヨハネスブルグ近郊のタウンシップ(貧困層の居住区)での配布活動に一部同行)更に投票日には、実際にこの教材に目を通しながら投票の順番を待つ有権者(写真左)や、投票場でこの教材を手元において参考にしている南ア選挙管理委員会のスタッフ(写真右)に出会い、日本の支援が有意義に活用されていることを実感しました。
日本大使館は、今回の投票所の視察で気づいた点を今後の参考とするために報告書にまとめ、南ア選挙管理委員会に提出しています。