第9回日・南アパートナーシップ・フォーラム(共同プレス発表)

(共同プレス発表)

2009年1月27日

第9回日・南ア・パートナーシップ・フォーラムは、2009年1月26、27日、東京で開催された。

本フォーラムには、日本側から橋本聖子外務副大臣を首席代表とする代表団が、南アフリカ共和国側からファティマ・ナグディー・ハジャジ外務副大臣を首席代表とする代表団が出席した。

双方は、政治・経済・開発協力・科学技術・文化交流等の幅広い分野において、二国間関係を拡大・深化し、さらにアフリカひいては世界の平和・安定・発展のため、パートナーとして協力し、貢献していくこととした。南アフリカ側は、アフリカを含む世界の平和と安全を促進するため、日本の国連安全保障理事会非常任理事国としての取組を支持した。

双方は、日・南ア関係の重要性を確認するとともに、首脳間対話をはじめ、官民様々なレベルで幅広い交流を継続することを強調した。また、両国が責任ある国家として、国連安保理改革、気候変動問題、軍縮・不拡散といった国際社会の諸問題につき、協力関係を深めていくこととした。双方は、国連に関する様々な問題について意見交換するため、両国国連担当局長級の協議を開催することとした。また、地球規模の課題に関する対話を引き続き実施することとした。南アフリカ側は、国際的な金融構造の改革の必要性及びその観点から、地球規模の課題に対処するためには、主要途上国が同等の代表として意思決定を行えるようにすることが不可避であると表明した。

日本側は、第四回アフリカ開発会議(TICADⅣ)で表明した支援策を着実に実施しており、今後とも実施していくことを表明した。南アフリカ側は、日本側の要請に応え、2009年3月21、22日にボツワナで開催されるTICAD閣僚級フォローアップ会合への参加を積極的に検討する。南アフリカ側は、日本によるTICADプロセスを通じたアフリカ支援に謝意を表しつつ、同会合の成功に向けて積極的な貢献を行うことを表明した。

南アフリカ側は、アフリカ連合、南部アフリカ開発共同体(SADC)等、地域機関・共同体がアフリカの貧困撲滅、平和と繁栄の促進のために果たしている重要な役割を紹介した。日本側は、南アフリカ共和国の地域の安定への貢献を高く評価した。双方は、日本とSADCとの関係を強化することとした。

双方は、パートナーシップ・フォーラムの開催に合わせて行われた、第一回合同貿易委員会の開催を歓迎した。双方は、最近の二国間貿易・投資関係についてレビューした。同委員会では、①二国間経済関係の現状、並びにアフリカ貿易・投資促進合同ミッションの派遣や一村一品運動における協力等を含む関係拡大への取り組み、②ビジネス環境改善への努力と今後のフォローアップ、③中小企業分野での協力、④エネルギー・鉱物資源分野における投資促進、及び⑤最近の世界経済情勢と両国の対応、WTOドーハ・ラウンドの妥結と保護主義的措置抑止の重要性、両国のFTA/EPA、BITの締結等を巡る最近の状況等について意見が交換された。

 双方は、これまでの日本の対南アフリカ協力の有効性を確認した上で、今後の二国間協力の可能性につき意見交換を行った。双方は人材育成分野の協力が大きな成果を上げてきていることを満足の意をもってこれを振り返り、今後も継続することを確認した。また、双方は二国間協力に加え、アフリカにおいて指導的な役割を担っている南アフリカと日本が第三国協力を一層促進することを表明した。さらに双方は、二国間の技術協力を促進するため、技術協力協定を早期に締結すべく交渉を加速化することとした。

双方は、2月25日に南アフリカで開催される第3回科学技術合同委員会が、科学技術分野における協力を更に拡大、深化させることを期待する。

双方は、2010年ワールドカップが、日本のサッカー・ワールドカップ主催の経験に基づく幅広い分野の成功事例を共有し、両国の文化に対する理解を深め、観光を促進する絶好の機会を提供するという認識を共有した。

双方は、本フォーラムの目的が、両国が国際問題の解決に一致協力すべきパートナーであることを確認しつつ、このような協力関係を強化していくことにある点を踏まえつつ、本パートナーシップ・フォーラムを引き続き継続していくこととした。